そういう意味ではダブルオーで完成している機体ではあるので、劇場版のダブルオークアンタも同じコンセプトを受け継いでいるイメージにしたんです。コンセプトは完成しているんで、変える必要がないわけですから、より理想に近い形に近付いていると思います。
劇場版のモビルスーツを考えたとき、2年っていう年月でまったく新しいものが生まれるのはあり得ないから、基本的にフレームは前モデルと共用というスタンスにしたんだよね。中でもダブルオーに関しては、もともと完成度が高いから変える必要がなかった。ただデザイン面ではあまり大きく変えられないから、どうしようかって思ったんだよ。
でも、僕はこれでオーライザーの機能を内蔵した完全版ダブルオーを作れる! って思ったんですよ。
燃えたぎっていたんだ(笑)。
与えられた条件でやりくりするのもおもしろいなと思いまして(笑)。ダブルオーの素材とフレームを共用したうえで、どんな新しい機体が生まれるのか。そういう意味では作業的には楽しかったです。
監督があまり難癖つけなかったから、スムーズに進んだよね(笑)。
(笑)。今までの中で一番早かったです。悩んだのはソードビット群をどこにもっていくか、というところで、角田さんにアドバイスをもらって現在の形になったんです。
副監督の角田一樹君は、00チームにおけるガンダムの良心だからね。モビルスーツに関しては一番知識があるし、ガンダムが好きだし、海老川君とはゴンゾ時代からの盟友だしね。
そういう意味では海老川君のデザインの面白さって、前田真宏さんをはじめ、異能なデザイナーがたくさんいらっしゃるゴンゾでキャリアをスタートさせたのも大きいよね。ある意味、戦場にいきなり叩き込まれたみたいな現場だった。一つの発想で固まるっていうところが許されないスタジオだったから、許容できる幅が広がったのかもしれない。久しぶりに一緒に仕事をしたとき、メカの絵を見せてもらったんだけど、現在に近いデザインになっていた。すごく成長しているなと思って、『ガンダム00』のデザインコンペに出てもらったんだよ。そこでエクシアの元デザインが、満場一致で選ばれた……。本当にドラマチックな展開だよね。毎回、いろんな場所で言っているけど、俺が選んだわけじゃないからね!
そういえば、コンペの直後に電話をいただいたとき、「で、だれが描いてくれるんですか?」って聞いちゃいましたよね(笑)。エクシアのデザインをもとに、別のデザイナーさんが描いてくれるものだと思い込んでいたんです。
いやいや、描くのは君だから(笑)。
いまさらながらだけど、GN-Xのイラストもちょっと見てみたいね。
ファーストシーズンとセカンドシーズンの空白の4年間とか、結構おいしいネタがいっぱいあると思うんです。
ガンダムはいないけど、連邦はアロウズを発足するなど、いろんな動きがあるよね。紛争地帯には連邦軍が入り込んでいるはずなんで、一番生々しい戦場写真的なシチュエーションは作れるよね。
正規軍対ゲリラとかですね。セカンドシーズンの後のネタも入れたいなと。もう一巡と言わず、ずっと続けたいです。まだまだ描きたい絵がいっぱいあるんですよ!
毎回、楽しみにしてくれる人がいるみたいだから続けたいね。そういえば最近、ツイッターでいろんな知り合いが増えて、生で反応がもらえるのは刺激になるよ。海老川君もアカウント持っているんでしょ? 「G-ROOMSイラスト、どうでしたか?」って書いたら、いっぱい返事がくるんじゃない?
だ、大丈夫でしょうか……?
じゃあ今回のイラストの感想は、海老川君のアカウントまでお待ちしております。忙しいので返事は返せないと思いますけど。
可能な限り返信させていただきます……。
さて、次回は順番で行くと柳瀬君だね。でも海老川君がGN-X描きたいみたいだから、もう1回やろうか?
いえいえ(笑)、柳瀬さんで。今度は何を描くんですかね?
本人が一番描きたいものでいいんじゃないかな? なおかつ「エーッ!?」ってびっくりするようなものを見せてくれるとうれしいかな。
ダブルオークアンタ
ダブルオーガンダムのコンセプトを継承するガンダム。アロウズ・イノベイドとの決戦後に開発され、より完成されたツインドライヴシステムを搭載。ダブルオーライザーを経て、さらなる進化を果たしているようだ。どのような性能を秘めているのか、その力は未知数である。
■設定画 ダブルオークアンタ
ダブルオーガンダムとダブルオーライザーという2つの形態を成立させる難しさはあった?
最初からオーライザーが装着されることはわかっていましたんで、ダブルオーの段階でできるだけ線を減らしたいっていう気持ちはありました。
そういえば追加装備に関しても、シルエットが一目でわかるっていうことを重視していたよね。それでコウモリのイメージで進めていたら、ちょうど仮面ライダーと被ったって大騒ぎになった(笑)。ただ実際のデザインを見たら、方向性がまったく違っていて安心したんだっけ。結局、オーライザーの方向性を決めていく段階で、コウモリから離れて行ったんだ。
本当はダブルオー単体で完成した状態でなければならないんですけど、ツインドライヴを制御するために急遽オーライザーを装備した……っていう設定なので、増設した感じがないとダメだなと思っていたんです。ちょっと微妙なさじ加減ではあるんですけど、一体感ではなく、後付け的な雰囲気を出したかったんですね。
肩が大きいところから導き出して、エクシアがシンプルだから、これぐらいのバランスでも許容できるっていうことで肩にパーツをつけたんだよね。たしか羽根の展開方法も中央から開くとか、片側から開くとか、いろいろパターンがあったなぁ。