今回は鷲尾君の2回目ということで、あえて空気を読むか、それとも空気を読まずに外してくるか、どっちなのかなって考えていたんだけど……(G-ROOMS第4回参照)。これほど直球でネーナのイラストを描いてくるとは(笑)。
一応、今回はスローネ艦がメインということで……。
いやいや、どう見てもスローネ艦が小さいでしょ!(笑)
シチュエーション的には、スローネ艦による補給直前の1シーンです。トリニティって山の中に基地があるぐらいで、支援設備が少ないのかな? っていう印象でした。そこでスローネを大気圏内で使ったらどうかなと思いまして。SF設定の千葉(智宏)さんにお聞きしたら「使えるんじゃない?」という答えをいただいたもので、描いてみたんです。着陸はできないけど、着水はできる……というイメージですね。
スローネ艦を最初に見たとき、実に鷲尾君らしいメカがきた! と思ったんだ。スローネやアルケーは最初から立体化する前提だったから、パーツの構成などにも気を使ってもらったんだけど、スローネ艦は立体化の予定がなかったからね。そういう意味では、もっとも鷲尾君らしさが残っているメカといえるかもしれない。
それでもガンダムということで、パーツ構成とかはそんなに無茶はしていないと思うんですよ。たとえば『蒼穹のファフナー』などは、自分で描いていても無茶したなぁと思いましたから……。
でも、コンテナが3つあって、ガンダムが収納できて、プトレマイオスと違う方向性という発注で、このスローネ艦のデザインが上がってきているからすごいよね。最初は「どっちが前なんだ?」って悩んだんだよ(笑)。本当はファーストシーズンの段階で、艦船は全部3Dにしようっていう話だったんだけど、トリニティ艦まで手が回らなくてセルになったんだっけ。
セカンドシーズンからはCGでしたよね。それで密度を上げるために、線を増やしたんです。
いずれにしても、この構造だと大気圏突入も大変そうじゃない?
でもGN粒子があれば、Gも打ち消せますよね?
GN粒子は反重力装置じゃないから(笑)! しかも疑似太陽炉だからね。無駄遣いができないから、そういう意味で突入したは良いけど再び宇宙に上がるのが大変だ。まぁ厳密には、スローネ艦は宇宙船という扱いなんだけどね。プトレマイオスですら、あれほど苦労して宇宙へ出るわけだから。
そうですね。正直、大気圏内で使うことは全然考えていませんでした(笑)。まぁ使えないことはないだろうと。途中まで降下して、物資を落としていくぐらいならできそうですよね。でも、ここまで降りちゃダメかもしれませんね。
もう海面が見えているからなぁ(笑)。千葉さんも鷲尾君からうまく言質を取られたって感じだよね。まぁ鷲尾君の描きたい絵はわかっていたし、空に映えるスローネ艦というのも面白いので、対談の中の趣旨を語ってもらえればいいかな。
視点としては、ハロが見ているというイメージですね。
そうだったね。ハロの視点っていうことを意識してもらうために、ラフの段階で「モニターカットにしたら?」っていう話をしたんだ。
ちょっとハロが見ているカメラという設定だと、若干画像が荒い感じになっちゃったかもしれないです。
まぁ300年後のカメラっていうことを考えると、画像の荒さという方向性はあまり合わないかもしれないね。あとはモニターの情報を増やすとか。本当はフィルターをもう1枚かませると雰囲気が出るんだけど、そうするとネーナが見えづらくなっちゃうんだよね?
そうなんです。やりすぎると、ネーナが見えづらくなってしまうんで(笑)。
最初はドライの頭に上にいるっていうことにも気がつかなかったよ(笑)。このほかにもレイアウトは考えたの?
今まで描いていない角度から探してみて、このレイアウトになりました。とにかく、ネーナのお尻と胸と顔が全部見えないといけないと思いまして。あとは前回が宇宙だったんで、今回は地上を選びました。
そこがイラストレーター的な発想だよね。メカの用途っていう攻め方じゃなくて、イラストの見せ方を第一に考えて、そこからシチュエーションを選び、なおかつ自分がデザインしているメカの設定を覆す愛(笑)。しかも鷲尾君はキャラだけじゃなくて、ハードなメカイラストも描けるからね。鷲尾君がもつ様々なイラストの方向性の中から、キャラクターへの愛が溢れ出たと思ってもらえるといいかな。
メカの良さを見せる企画だったということも忘れていました……。
どこまで天然なんだキミは(笑)。
とにかく描くだろうなって思う方がいたら、描いたほうがいいなと思いまして(笑)。
「きっと鷲尾さんはネーナを描くに違いない」って期待してくれているファンに対して答えを出すのは大事だし、その上でハロが見ている絵っていう僕のリクエストを満たしてくれている。さらに鷲尾君はネーナをすごく気に入ってくれたから、こういうオフィシャルな場で彼女のイラストを描くこともいい機会だった。G-ROOMSというメカ企画ではあるけど、各々の好きなものを描くというのも、大事なところだと思うんだ。まぁどこまでがギリギリでセーフなのか、アウトなのかを判断するリトマス試験紙的なイラストかもしれないね(笑)。
鷲尾直広(わしお・なおひろ)
メカニックデザイナー、イラストレーター、漫画家。『宇宙のステルヴィア』でメカデザイナーとしてデビュー後、『蒼穹のファフナー』『ヒロイック・エイジ』『異世界の聖機師物語』などでメカデザインを担当。『ガンダム00』では、ガンダムスローネシリーズ、アルケーガンダム、スローネチームの母船などのデザインを手がけた。
トリニティ艦
ソレスタルビーイングのトリニティチームの宇宙における母艦。疑似GNドライヴを動力源とする。ガンダム搭載用として3つのコンテナを搭載するなど、モビルスーツ運用艦としてプトレマイオスと近い構造を持つ。また、艦中央部には主砲を装備されている。トリニティが地球へ降下してから、その行方は定かではなかったが、のちに王留美の管理下にあったことが明らかになっている。
■トリニティ艦
今回は鷲尾君の2回目ということで、あえて空気を読むか、それとも空気を読まずに外してくるか、どっちなのかなって考えていたんだけど……(G-ROOMS第4回参照)。これほど直球でネーナのイラストを描いてくるとは(笑)。
一応、今回はスローネ艦がメインということで……。
いやいや、どう見てもスローネ艦が小さいでしょ!(笑)
シチュエーション的には、スローネ艦による補給直前の1シーンです。トリニティって山の中に基地があるぐらいで、支援設備が少ないのかな? っていう印象でした。そこでスローネを大気圏内で使ったらどうかなと思いまして。SF設定の千葉(智宏)さんにお聞きしたら「使えるんじゃない?」という答えをいただいたもので、描いてみたんです。着陸はできないけど、着水はできる……というイメージですね。
スローネ艦を最初に見たとき、実に鷲尾君らしいメカがきた! と思ったんだ。スローネやアルケーは最初から立体化する前提だったから、パーツの構成などにも気を使ってもらったんだけど、スローネ艦は立体化の予定がなかったからね。そういう意味では、もっとも鷲尾君らしさが残っているメカといえるかもしれない。
それでもガンダムということで、パーツ構成とかはそんなに無茶はしていないと思うんですよ。たとえば『蒼穹のファフナー』などは、自分で描いていても無茶したなぁと思いましたから……。
でも、コンテナが3つあって、ガンダムが収納できて、プトレマイオスと違う方向性という発注で、このスローネ艦のデザインが上がってきているからすごいよね。最初は「どっちが前なんだ?」って悩んだんだよ(笑)。本当はファーストシーズンの段階で、艦船は全部3Dにしようっていう話だったんだけど、トリニティ艦まで手が回らなくてセルになったんだっけ。
セカンドシーズンからはCGでしたよね。それで密度を上げるために、線を増やしたんです。
いずれにしても、この構造だと大気圏突入も大変そうじゃない?
でもGN粒子があれば、Gも打ち消せますよね?
GN粒子は反重力装置じゃないから(笑)! しかも疑似太陽炉だからね。無駄遣いができないから、そういう意味で突入したは良いけど再び宇宙に上がるのが大変だ。まぁ厳密には、スローネ艦は宇宙船という扱いなんだけどね。プトレマイオスですら、あれほど苦労して宇宙へ出るわけだから。
そうですね。正直、大気圏内で使うことは全然考えていませんでした(笑)。まぁ使えないことはないだろうと。途中まで降下して、物資を落としていくぐらいならできそうですよね。でも、ここまで降りちゃダメかもしれませんね。
もう海面が見えているからなぁ(笑)。千葉さんも鷲尾君からうまく言質を取られたって感じだよね。まぁ鷲尾君の描きたい絵はわかっていたし、空に映えるスローネ艦というのも面白いので、対談の中の趣旨を語ってもらえればいいかな。
視点としては、ハロが見ているというイメージですね。
そうだったね。ハロの視点っていうことを意識してもらうために、ラフの段階で「モニターカットにしたら?」っていう話をしたんだ。
ちょっとハロが見ているカメラという設定だと、若干画像が荒い感じになっちゃったかもしれないです。
まぁ300年後のカメラっていうことを考えると、画像の荒さという方向性はあまり合わないかもしれないね。あとはモニターの情報を増やすとか。本当はフィルターをもう1枚かませると雰囲気が出るんだけど、そうするとネーナが見えづらくなっちゃうんだよね?
そうなんです。やりすぎると、ネーナが見えづらくなってしまうんで(笑)。
最初はドライの頭に上にいるっていうことにも気がつかなかったよ(笑)。このほかにもレイアウトは考えたの?
今まで描いていない角度から探してみて、このレイアウトになりました。とにかく、ネーナのお尻と胸と顔が全部見えないといけないと思いまして。あとは前回が宇宙だったんで、今回は地上を選びました。
そこがイラストレーター的な発想だよね。メカの用途っていう攻め方じゃなくて、イラストの見せ方を第一に考えて、そこからシチュエーションを選び、なおかつ自分がデザインしているメカの設定を覆す愛(笑)。しかも鷲尾君はキャラだけじゃなくて、ハードなメカイラストも描けるからね。鷲尾君がもつ様々なイラストの方向性の中から、キャラクターへの愛が溢れ出たと思ってもらえるといいかな。
メカの良さを見せる企画だったということも忘れていました……。
どこまで天然なんだキミは(笑)。
とにかく描くだろうなって思う方がいたら、描いたほうがいいなと思いまして(笑)。
「きっと鷲尾さんはネーナを描くに違いない」って期待してくれているファンに対して答えを出すのは大事だし、その上でハロが見ている絵っていう僕のリクエストを満たしてくれている。さらに鷲尾君はネーナをすごく気に入ってくれたから、こういうオフィシャルな場で彼女のイラストを描くこともいい機会だった。G-ROOMSというメカ企画ではあるけど、各々の好きなものを描くというのも、大事なところだと思うんだ。まぁどこまでがギリギリでセーフなのか、アウトなのかを判断するリトマス試験紙的なイラストかもしれないね(笑)。
鷲尾直広(わしお・なおひろ)
メカニックデザイナー、イラストレーター、漫画家。『宇宙のステルヴィア』でメカデザイナーとしてデビュー後、『蒼穹のファフナー』『ヒロイック・エイジ』『異世界の聖機師物語』などでメカデザインを担当。『ガンダム00』では、ガンダムスローネシリーズ、アルケーガンダム、スローネチームの母船などのデザインを手がけた。
トリニティ艦
ソレスタルビーイングのトリニティチームの宇宙における母艦。疑似GNドライヴを動力源とする。ガンダム搭載用として3つのコンテナを搭載するなど、モビルスーツ運用艦としてプトレマイオスと近い構造を持つ。また、艦中央部には主砲を装備されている。トリニティが地球へ降下してから、その行方は定かではなかったが、のちに王留美の管理下にあったことが明らかになっている。
■トリニティ艦