ついに始まった、G-ROOMSの記念すべき第1回なんだけど、その題材に、なぜレグナントを選んだの?
連載の最初なので、少しキャッチーなものがいいかと思ったんです。それならばガンダムではなくて、脇のメカで何かいいものはないかな? と考えた結果、レグナントに決めました。“頭部にガンダム顔が隠されている”という裏設定もありますので、それを拾ってみようかなと思いまして。 イラストのシチュエーションとしては、戦いが終わった後に、本編の最終決戦の舞台となった戦艦ソレスタルビーイング周辺のデブリの片付けが行われていて、その際に巡回しているモビルスーツが、残骸になったレグナントを発見したという感じです。残骸は、軌道からすでに外れていて、それをモビルスーツのモニターカメラで捕捉したのを基地で分析しているワンショットと想定しています。アイデアとしては、残骸を回収した後の写真という案もあったのですが、どうせならモニターノイズがちょっと入ったような感じの方がいいかと。
シチュエーションからいろいろと想像できるよね。
このぼんやりとした画像から、いろいろと想像してもらえるのがいいかなという思いはありますよね。レグナント初登場回の脚本の初稿に「ガンダム顔が出てくる」という記述があったので、決定稿があがる前に、僕が先走ってラフを描いてしまったんです。だけど、実際には劇中では使われず、“裏設定”になってしまいました。
シリーズ構成の黒田(洋介)君が、脚本に書いていたんだよね。「隠されたガンダム顔」がいきなり画面に出れば視聴者は「おっ!」と驚くはずだし、ストーリー的には、ルイスは自分を苦しめているガンダムに実は乗っていた、ということは判るんだけど、その後に、劇中でその事へのフォローができない構造だった。ガンダム顔の存在にさらに何か因縁があって、ドラマでフォローできるならいいけど、一発芸になっちゃうなら、残念だけどフィルムには入れられないという話になった。
でも、『ロボット魂』の方では、しっかりとガンダム顔が再現されているんですよね。
フィギュアとか模型を作る人や、ガンダムが好きな人にしてみると、そういう“裏設定”は嬉しいんじゃないのかな。
アイデアとしてはすごく面白いものですし、こんな機会なので、せっかくだから“ガンダム顔”をちゃんと形に残しておこうかと思ったのが、レグナントを選んだ大きな理由です。
これでレグナントの裏設定が、本当の意味でオフィシャル化されましたよ。本編中で触れられなかったところや、デザイナーのこだわりを掘り下げていこうというのがこの連載の主旨でもあるので、いいんじゃないかな。 開発の系譜で言うと、このレグナントは、リボンズが裏から手を回して連邦をある程度コントロールできる状況において、ソレスタルビーイングの技術をもとに作られている機体なので、いわゆるガデッサに代表されるイノベイター専用機である〈ガ・シリーズ〉と同じ流れにある。つまり基本はソレスタルビーイングのモビルスーツと源流が同じだから、本来ガンダム顔があってもいい機体なんだよね。
そうですね。設定としては〈ガ・シリーズ〉の流れを汲みつつ、あと、僕は結構アルヴァトーレからの流れも意識しているんですよね。
それはデザインで見ると判るよね。
アルヴァトーレからレグナントの試作機であるエンブラスに行って。最終的にレグナントに至るイメージですよね。アルヴァアロンとアルヴァトーレは、ファーストシーズンのラスボスとして大河原(邦男)さんが描かれたんですが、デザイン的な系譜から浮いてしまっていたので、せっかくだからうまく繋げられないかと思ったんです。さらに、リボーンズガンダムでは、胸の部分のクリアパーツなど、アルヴァアロンのデザインを意識して取り入れています。設定上はリボーンズガンダムの設計をもとに、リボンズがアルヴァアロンを造ったということになっているんですけどね。
その辺りは、デザイナー各々が、前のデザインを大事にしてモビルスーツの流れを作るということを意識してやってくれていた現れだね。
海老川兼武(えびかわ・かねたけ)
メカニックデザイナー。『ガンダム00』では、ガンダムエクシア、ダブルオーガンダムなどのソレスタルビーイングメカを中心に担当。他に『ヴァントレッド』シリーズや『フルメタルパニック!』シリーズなどのメカデザインを手掛けている。
レグナント
GNMA-0001V レグナント。モビルアーマーからモビルスーツへの変形機構を持った大型機。基本的には、空戦・宙戦をメインとする機体だが、人型の形態をとれるため、地上での戦闘も可能となっている。エグナーウィップやGNファングなど、単機で多数のガンダムと戦える装備を持つ。パイロットはルイス・ハレヴィ。
■設定画1 MA形態
■設定画2 MS形態
ついに始まった、G-ROOMSの記念すべき第1回なんだけど、その題材に、なぜレグナントを選んだの?
連載の最初なので、少しキャッチーなものがいいかと思ったんです。それならばガンダムではなくて、脇のメカで何かいいものはないかな? と考えた結果、レグナントに決めました。“頭部にガンダム顔が隠されている”という裏設定もありますので、それを拾ってみようかなと思いまして。
イラストのシチュエーションとしては、戦いが終わった後に、本編の最終決戦の舞台となった戦艦ソレスタルビーイング周辺のデブリの片付けが行われていて、その際に巡回しているモビルスーツが、残骸になったレグナントを発見したという感じです。残骸は、軌道からすでに外れていて、それをモビルスーツのモニターカメラで捕捉したのを基地で分析しているワンショットと想定しています。アイデアとしては、残骸を回収した後の写真という案もあったのですが、どうせならモニターノイズがちょっと入ったような感じの方がいいかと。
シチュエーションからいろいろと想像できるよね。
このぼんやりとした画像から、いろいろと想像してもらえるのがいいかなという思いはありますよね。レグナント初登場回の脚本の初稿に「ガンダム顔が出てくる」という記述があったので、決定稿があがる前に、僕が先走ってラフを描いてしまったんです。だけど、実際には劇中では使われず、“裏設定”になってしまいました。
シリーズ構成の黒田(洋介)君が、脚本に書いていたんだよね。「隠されたガンダム顔」がいきなり画面に出れば視聴者は「おっ!」と驚くはずだし、ストーリー的には、ルイスは自分を苦しめているガンダムに実は乗っていた、ということは判るんだけど、その後に、劇中でその事へのフォローができない構造だった。ガンダム顔の存在にさらに何か因縁があって、ドラマでフォローできるならいいけど、一発芸になっちゃうなら、残念だけどフィルムには入れられないという話になった。
でも、『ロボット魂』の方では、しっかりとガンダム顔が再現されているんですよね。
フィギュアとか模型を作る人や、ガンダムが好きな人にしてみると、そういう“裏設定”は嬉しいんじゃないのかな。
アイデアとしてはすごく面白いものですし、こんな機会なので、せっかくだから“ガンダム顔”をちゃんと形に残しておこうかと思ったのが、レグナントを選んだ大きな理由です。
これでレグナントの裏設定が、本当の意味でオフィシャル化されましたよ。本編中で触れられなかったところや、デザイナーのこだわりを掘り下げていこうというのがこの連載の主旨でもあるので、いいんじゃないかな。
開発の系譜で言うと、このレグナントは、リボンズが裏から手を回して連邦をある程度コントロールできる状況において、ソレスタルビーイングの技術をもとに作られている機体なので、いわゆるガデッサに代表されるイノベイター専用機である〈ガ・シリーズ〉と同じ流れにある。つまり基本はソレスタルビーイングのモビルスーツと源流が同じだから、本来ガンダム顔があってもいい機体なんだよね。
そうですね。設定としては〈ガ・シリーズ〉の流れを汲みつつ、あと、僕は結構アルヴァトーレからの流れも意識しているんですよね。
それはデザインで見ると判るよね。
アルヴァトーレからレグナントの試作機であるエンブラスに行って。最終的にレグナントに至るイメージですよね。アルヴァアロンとアルヴァトーレは、ファーストシーズンのラスボスとして大河原(邦男)さんが描かれたんですが、デザイン的な系譜から浮いてしまっていたので、せっかくだからうまく繋げられないかと思ったんです。さらに、リボーンズガンダムでは、胸の部分のクリアパーツなど、アルヴァアロンのデザインを意識して取り入れています。設定上はリボーンズガンダムの設計をもとに、リボンズがアルヴァアロンを造ったということになっているんですけどね。
その辺りは、デザイナー各々が、前のデザインを大事にしてモビルスーツの流れを作るということを意識してやってくれていた現れだね。
海老川兼武(えびかわ・かねたけ)
メカニックデザイナー。『ガンダム00』では、ガンダムエクシア、ダブルオーガンダムなどのソレスタルビーイングメカを中心に担当。他に『ヴァントレッド』シリーズや『フルメタルパニック!』シリーズなどのメカデザインを手掛けている。
レグナント
GNMA-0001V レグナント。モビルアーマーからモビルスーツへの変形機構を持った大型機。基本的には、空戦・宙戦をメインとする機体だが、人型の形態をとれるため、地上での戦闘も可能となっている。エグナーウィップやGNファングなど、単機で多数のガンダムと戦える装備を持つ。パイロットはルイス・ハレヴィ。
■設定画1 MA形態
■設定画2 MS形態